ドラマ『結婚できない男』は、偏屈で独善的な建築家・桑野信介が、女性との出会いをきっかけに恋愛や結婚を模索する姿をコミカルに描いた作品です。
2006年に阿部寛主演で放送され、独身生活のリアルさと結婚観を改めるような心の機微が多くの視聴者の共感を呼びました。
阿部寛主演ドラマ「結婚できない男(第1シリーズ)」作品概要・出演者・あらすじ・最終回の紹介
引用元:フジテレビ「結婚できない男」
ドラマ「結婚できない男」は、2006年7月4日から9月19日までフジテレビ系列で放送された全12話の連続ドラマ。
関西テレビとMMJの共同制作で、脚本は尾崎将也。主演の阿部寛が演じる偏屈な建築家が日常のささやかな出会いを通じて少しずつ変化していくラブコメディです。
独身貴族のような生活を楽しむ主人公が少しずつ恋愛に傾いていく姿が、当時の視聴者に新鮮な印象を与えました。
主な出演者 / キャスト
■桑野信介(演:阿部寛)
39〜40歳、建築家。高い評価を受ける有能なデザイナーだが、極めて偏屈で皮肉屋。結婚は「三大不良債務」と断言し独身を貫くが、内心では寂しさを感じている。完璧主義で他人を家に入れず、1人暮らしのルーティンを大切にする。意外と優しい面もあり、徐々に周囲に心を開いていく。
■早坂夏美(演:夏川結衣)
30代後半、女医。中川医院勤務の優秀な医師で、独身。桑野とは辛辣な言葉を交わすが、次第に互いを意識する。強気で自立した性格が桑野の征服欲を刺激し、物語の中心的なヒロイン。
■田村みちる(演:国仲涼子)
20代後半、自動車ディーラー勤務のOL。桑野の隣人。明るく世話焼きで、パグ犬のケンを飼っている。桑野の優しい一面に惹かれていくが、恋の行方は複雑。
■村上英治(演:塚本高史)
20代後半、建築士。桑野の弟子でアシスタント。桑野を慕いつつ、時に衝突する。沙織(さくら)との関係も描かれる。
■中川良雄(演:尾美としのり)
桑野の義弟、中川医院副院長。桑野の妹・圭子(三浦理恵子)の夫。良識的で桑野の相談相手になることが多い。
■沢崎摩耶(演:高島礼子)
30代後半、建築プロデュース会社「Japan House Produce」社員。桑野の仕事仲間で8年の付き合い。桑野の話し下手や問題をフォローする優秀なプロデューサー。
その他、草笛光子(桑野の母・育代、特別出演)、さくら(吉川沙織)、高知東生(金田)など、個性的な脇役が出演しています。
あらすじ
建築家・桑野信介(阿部寛)は、仕事の能力は抜群だが偏屈で皮肉屋。女性にモテるものの、性格の難しさから長続きせず、40歳を迎えても「結婚は不良債務」と独身を満喫する日々を送っていた。
ある日、激しい腹痛で隣人のOL・みちる(国仲涼子)に助けられ、病院へ。担当医の早坂夏美(夏川結衣)と出会い、互いの辛辣なやり取りが始まることに。
しかし、夏美の強気な姿勢に惹かれつつ、みちるの優しさにも触れ、桑野の心に変化が生まれる。周囲の出来事や家族の影響を受けながら、頑なだった彼が少しずつ恋愛や結婚を意識し始める──。
主題歌・挿入歌
引用元:「スイミー」MUSIC VIDEO / Every Little Thing
主題歌はEvery Little Thingの「スイミー」。
爽やかで前向きなメロディーが、桑野の心の変化を優しく後押しする印象的な曲となっています。
各話あらすじ
■第1話「一人が好きで悪いか!!」
建築家の桑野信介は偏屈で皮肉屋な性格のため、40歳間近なのに独身を通している。ある夜、激しい腹痛に襲われ、隣人のOL・田村みちるに助けられて病院へ運ばれる。そこで女医の早坂夏美と出会い、検査を嫌がって衝突する。退院後も夏美との因縁は続き、桑野の一人暮らしの日常に波風が立ち始める。
■第2話「好きなものを食って悪いか!!」
桑野は夏美から食事制限を言い渡されるが、全く聞く耳を持たない。全快祝いとして焼き肉を希望するも、なかなか実現せず、一人で店に向かう。一方、みちるは桑野の助手・村上英治と親しくなり始め、夏美とも顔を合わせるようになる。桑野の頑固な食生活が周囲との関わりを少しずつ変えていく。
■第3話「好きにお金を使って悪いか!!」
桑野は最新のオーディオ機器を衝動買いするなど、自分の趣味にお金を惜しまない。一方、夏美はマンション購入を検討し始め、桑野に相談するような形で接触が増える。桑野の母・育代が夏美に興味を持ち、二人を近づけようと画策する。桑野は母親の干渉を煙たく思いながらも、夏美の存在を意識し始める。
■第4話「休日を一人で過ごして悪いか!!」
休日を一人で静かに過ごしたい桑野だったが、摩耶に勧められて観光バスに乗ってしまう。偶然同じバスに夏美が乗っており、二人は隣同士になる。桑野の知識自慢がバスガイドを困らせ、夏美とも言い争いになる。その夜、母との電話やみちるとのやり取りを通じて、桑野の孤独な休日が揺らぎ始める。
■第5話「家に人を入れないで悪いか!!」
桑野は自分の部屋に他人を入れることを極端に嫌う。夏美が何かの用事で部屋に入ることになり、桑野は大きく動揺する。仕事ではクライアントとの意見の食い違いに苛立ち、家庭では妹夫婦や母との関係にうんざりする。次第に周囲の人間が桑野の生活に入り込んでくることに、戸惑いを隠せなくなる。
■第6話「融通きかなくて悪いか!!」
桑野の融通の利かなさが仕事でトラブルを引き起こす。隣の住民との諍いに巻き込まれ、夏美を巻き込んでしまう。お好み焼きを巡るやり取りで、桑野は夏美に自分のやり方を押し付け、再び衝突する。謝る場面でも素直になれず、二人の関係はぎくしゃくしたまま続く。
■第7話「親戚づきあいがキライで悪いか!!」
親戚の法事に出席した桑野は、結婚していないことを繰り返し突っ込まれる。夏美の父親が上京してきて、桑野と顔を合わせることに。夏美の家族事情が少しずつ明らかになり、桑野は他人の親との関わりに戸惑う。ビアガーデンで偶然顔を合わせた面々との会話を通じて、桑野の人間関係が少しずつ広がっていく。
■第8話「犬がキライで悪いか!!」
みちるが入院することになり、愛犬のケンを預ける必要が出てくる。犬嫌いの桑野だったが、ケンが行方不明になったと知り、必死で探し回る。意外な一面を見せた桑野に、周囲の人々は驚く。夏美やみちるとの距離が、ケンを通じて少しずつ近づいていく。
■第9話「結婚を考えて悪いか!!」
周囲から結婚を勧められることが増え、桑野は苛立ちを覚える。夏美も仕事と私生活の間で揺れる様子を見せる。桑野は自分の理想とする生活を守ろうとするが、夏美の存在が頭から離れなくなる。みちるの気持ちも徐々に動き始め、三角関係のような空気が生まれてくる。
■第10話「他人の人生に口出しして悪いか!!」
桑野が他人のプライベートに首を突っ込む場面が増える。中川の秘密や夏美の過去に触れることで、自分の価値観を問い直すきっかけを得る。仕事のパートナーである摩耶の動向にも動揺し、桑野の日常がこれまで以上に揺らぐ。周囲の人間関係が複雑に絡み合い始める。
■第11話「花柄がキライで悪いか!!」
クライアントが花柄の壁紙を希望し、桑野は激しく拒否する。一方、みちるがストーカーに悩まされていることを知った夏美は、桑野にボディーガードを頼む。渋々引き受ける桑野だが、みちるを守る行動を通じて、彼女から好意を寄せられるようになる。桑野は自分の気持ちに気づかず、状況は複雑化していく。
■第12話(最終回)「幸せになって悪いか!?」
みちるが引っ越すことが決まり、桑野に「好き」と伝えるが、桑野は犬のケンの気持ちだと勘違いする。夏美はみちるの気持ちを知り、複雑な思いを抱く。桑野は夏美に遠回しに自分の気持ちを伝えようとするが、理想の家がイメージできないことを理由に結婚をためらう。最終的に桑野が出した答えと、三人の関係の行方は視聴者に委ねられる形で物語は幕を閉じる。
最後・最終回・結末
最終回は、桑野信介が自宅でいつものように手巻き寿司を丁寧に順番通りに楽しんでいるところから始まります。
食事の最中に新聞の勧誘がインターホンを鳴らし、せっかくの一人時間を邪魔された桑野は不機嫌に。ちょうどその時、愛犬ケンの散歩を終えて通りかかった隣人の田村みちるをモニター越しに見つけ、「後ろの人、新聞取ってませんよ」と大声で教えます。結果、みちるは勧誘を受けてしまい、後で文句を言いに桑野の部屋を訪れることに。
しかし、みちるはその場でこれまでのストーカー事件で桑野に助けられたことへの感謝を述べつつ、「好きかもしれません」と一方的に告白する展開に。ですが、桑野はみちるがケンのことを言っているのだと盛大に勘違いし、犬と戯れながらご満悦の表情を浮かべるのでした。こうして、みちるの本当の気持ちは全く伝わらないまま、彼女は部屋に戻っていくのでした。
一方、桑野の事務所にはテレビ出演の話が舞い込みます。桑野は視聴率を密かに調べ、どれだけの人が自分を見るのかを計算してプレッシャーを感じ、胃痛を起こして中川病院へ駆け込みます。診察した早坂夏美は桑野と雑談を交えると、桑野がみちるの告白を犬の話だと勘違いしている事実を知り、唖然としながらも内心では安堵したような様子を見せました。
場面は変わり、みちるに部屋を貸していた叔父が帰国するため、急遽引っ越しが決まることに。そのため、桑野への想いを知った村上英治たちは、みちると信介を二人きりにさせようと企てますが、みちるは夏美も招いていました。結局、みちる・桑野・夏美の三人でビールを飲むことになり、いつものように桑野と夏美が口喧嘩を始めてしまう展開。しかし、みちるは二人の仲の良さに気づくと、自ら身を引く決意を固めるのでした。
引っ越し当日、みちるは夏美に「桑野さんと一度きちんと向き合って話した方がいい」とアドバイスを残してマンションを去っていきます。みちるが去ったことで、夏美は自分の気持ちをはっきりと自覚しました。
その後、桑野は夏美の診察室を訪れると、これまでのぶつかり合いを振り返りながらも、不器用にも本音を切り出すと、最終的に「あなたと出会って、話し相手がいつも傍にいるのもいいのかな、って。要するに僕は、あなたが…好きなんじゃないかな。駄目ですか?僕じゃ」と告白。今まで憎まれ口ばかり叩いてきた桑野の初めての素直な言葉に夏美は涙を零すと、「いい…かもしれません」と答えました。
しかし、桑野はそこで「結果的には結婚できないんですけどね」と付け加えることに。自分が大切に思う人と暮らす家のイメージがどうしても浮かばないから、結婚はできないという持論を展開します。そのため、夏美は「結局あなたは自分のことばかりじゃないですか!もう知りません!」と怒り、その場を後にするのでした。
後日、道で偶然再会した二人は、相変わらずの口喧嘩をしながらも、桑野が「部屋に来ないか」と誘います。夏美が「どうしても、と言うなら」と応じると、桑野は「あなたがどうしてもって言うなら…」と維持を張るも、夏美が折れて「じゃあ、来て下さい。どうしても」と笑顔で答え物語は終了します。
最終的に桑野の自宅には二人が一緒に暮らすための家の模型が置かれており、完璧な結婚像を描けないままであるものの、桑野は夏美を自分の生活に迎え入れる選択をしたようです。二人はこれからも言い争いを続けながら、隣にいる関係を築いていくことを示唆しています。
なお、13年後(2019年)に製作された続編『まだ結婚できない男』が描かれています。
まとめ
『結婚できない男』は、偏屈男の成長と恋の機微をユーモアたっぷりに描いた心温まるドラマです。
阿部寛の魅力溢れる演技と個性的なキャストとの会話劇が笑いをうみ、今見ても楽しめる一作となっています。独身生活や結婚への問題を考えるきっかけにもなる作品でした。
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結婚できない男 第1シリーズ | |



